漆工 綿引千絵の奮闘記
 
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静嘉堂文庫「<和>のうるし」展
 今、静嘉堂文庫美術館で「〈和〉のうるし ―蒔絵・螺鈿・漆絵・根来―」という展覧会が催されている。規模は大きくないが見応えがある。面白かったので、感想はまとまっていないけれど、会期が終わらないうちに紹介します。5月27日まで。
 


 江戸時代の蒔絵が中心ではあるが、全体では室町〜明治時代、味のある根来から豪華な蒔絵まで、他にも印籠、琉球漆器、刀の鞘など、展示作品は多岐にわたっている。そのすべてが静嘉堂の所蔵品なので、岩崎コレクションの質と量はすごいものだと思った。
 
 私が好きだったのは、まず根来の足付き鉢。使い込まれたことで朱漆の色具合・擦れ具合がいい塩梅になっていて、心地よかった。古びるというのではないし、味が出る、貫禄が出るというのでもないこの感じは、何と言うのだろう。きっと骨董用語では何か表現があるのだろう。人に添うというか人を寄せ付けるというか、やさしくてあたたかい雰囲気をたたえている。前にも骨董屋で、同じようにいい感じに時代を経た朱の椀を触らせてもらった。寺の僧侶が使っていたらしく、室町か桃山期のものだったと思う。18万円で、買えないが欲しかった。そばに置いても絶対いつまでも飽きないと思った。
 骨董屋の椀も静嘉堂の鉢も形がおおらかで、胴から腰への張り、丸いラインがスマートでもなく野暮ったくもなく、豊かな感じがした。自分の椀や鉢にもおおらかさが出せるといいな。

 柴田是真の作品がいくつか見られたのもうれしかった。中でも漆絵の重箱!これは最高に気に入った。こんな気の利いておしゃれな重箱は初めて見た。
 五段重なのだが、地の色が一段ずつ色が違う。蓋と最上層は黒、次は銀、朱(ワインレッド)、洗い朱(柿色)、深緑の順だ。この色の組み合わせが絶妙でかっこよかった。照明の関係か、深緑がほとんど黒に見えてしまい、銀は時代を経て黒ずんでいるので、全体的に落ち着いた調子に映るが、当初はもっとビビッドだっただろうから、なんてかっこいいんだ!と思った。この色合いをそのまま洋服のコーディネートに持っていってもぴったりな感じだ。
 たぶんポイントは朱の色味なんだと思う。朱の顔料には本朱、赤口などの種類があるがそれには当てはまらず、どちらかというと朱溜のような、でも溜塗ではない深み、なんとも言えず重箱全体を締めていた。偶然そこに居合わせた輪島研修所の先生が(これがすごい偶然で、輪島からの一行の中に友人2人もおり数年ぶりのうれしい再会となった!)、「これはうるみ(朱に黒を混ぜた色)だよ」と教えてくれた。普通のうるみのような茶色感がなかったので気付かなかった。きっと黒の割合がほんの少しで、顔料に対して漆を多めにしてあるから透明感のあるワインレッドなんだな。絶妙だな。感心しきりだった。
 一段ずつ違う色なのに、図案は五段をいっぱいに使った絵で、大きく水が流れる表現が大胆でまたかっこいい。でも大河とか海原ではなく、のどかな風景の中さらさら流れる川なのだ。表現技法はダイナミックなのに印象は静かなんて不思議だ。うまいなぁ。
 所々に配されたカラスや柳や杭などがまた利いていて、絵の動きや色のアクセントになっている。数羽のカラスは可愛らしくてユーモアも与えているようだ。本当に良くできた構成だと思った。楽しくてかっこよくてかつ渋い、手元に置きたくなる重箱だった。
 
 重箱の説明で勢い余ってしまったが、ほかにも原羊遊齋の印籠とか、尾形光琳の有名な住之江硯箱、棗の蝶々も素敵だったし…、見どころいっぱいのうるし展だった。

 
【2007.04.29 Sunday 09:18】 author : chiewatabiki
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