展示会のミニコーナー 「志木・埼玉の作り手たち」 |
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展示会の大事なお知らせがまだまだあるのに、更新が遅れて申し訳ありません。今日は個展内のミニ企画、「志木・埼玉の作り手たち」についてご紹介させていただきます。 (※前置きで熱い思いを語ってしまったので、出品者の情報をすぐお知りになりたい方は、以下すっ飛ばして、後半をご覧ください!) 今回は事実上「グループ展」となりました! 5名の作家さんが出品してくださり、計6名によって生み出された物たちが 一堂に会します! こういうスタイルの展示会になった経緯はといいますと… 数年前から「地元の人と地元の作り手を繋げる機会」があったらいいのでは?と希望を膨らませていました。 というのも、ある時期に次々と、ご近所にクリエイターさんが住んでいることを知ったからです!同じ町内にお二人、最寄り駅や生活圏が同じ方がお一人、ジャンルは陶器、デザイン、てぬぐい…。 こんなに近くに、素敵なものを作る人がこんなにいて、どの方もとても活躍されている!!なんかすごいな!と思いました。 なにか一緒にしたいな…。 コラボ品を作って地元で売るとか、一緒に展示会をするとか…。 私が 目と鼻の先にものつくり人が住んでおられることに興奮したように、ほかの地元住民のみなさんも、「え?そんな仕事してる人がこの町にいるの?!」と思うのではないか? それを知ったら、「何の変哲もない東京のベッドタウン」である我らが町の、彩りの一つに感じてもらえるかもしれない。 それに、ご近所さんが作っている物だったら、手仕事とか工芸とかクラフトとか作家物とか、そういったものがなんとなく遠く感じられている方々にも、親近感を持ってもらえる気がする。 そして、高級品でもステイタスのためのものでなく、「あくまで 普通の人が 心地よく楽しく暮らすための生活道具」である、ということも 自然に受けとめてもらえるんじゃないだろうか? 機会さえ作れば、そういう楽しみな可能性が広がるんだ! 反対に、もしも、この町で作っても 売るのが都内だけだったら、私のものを楽しんでくれるかもしれない人が隣に住んでいても、ずっと何も起こらないままだ。それは、ちょっともったいない。 あと、これはかなり大それた話ですが、 こどもたちが、サラリーマン以外の職業もあることを生活の中で知れたら、自分の将来を自由に 幅を持って描けるのではないか? とか、 みなが似た生活をしているベッドタウンで、家の中も既製品ばかりだと、人間自体も画一的になってしまいそうな恐ろしさがある中、きっかけがあって 暮らしに手仕事品が入っていけば、現代人にかかるストレスが少しだけ減るのではないか? とか、 うぬぼれかもしれないけれど、余計なお世話かもしれないけれど、そんな願いを 手仕事の品に託してしまうのも事実です。 埼玉のベッドタウンに、手仕事を理解して楽しんでいる人がいないかといえば、そんなことはなく、むしろ手仕事をメインに支えてくださっている層が ベッドタウンの住民かもしれません。 それでも、「地元」という切り口で 場を設けることの良さがあるとすれば、例えば手仕事に興味のなかった方や、親しむきっかけがなかった方と、物が、たまたま出会える、ということじゃないかと思います。 そんな希望をひそかに膨らませて、会場でみなさまをお待ちしたいと思います! 以下、出品者をお一人ずつ紹介させていただきます。 あいうえお順です。 ***** 石田和人 デザイナー 志木市在住 東京藝大で学び、「石田和人デザインスタジオ」を設立。 家具や生活製品のプロダクトデザインから、ホールなどの空間デザインまで、幅広く生み出していらっしゃいます。 ↑「犬鎮・猫鎮」 家族への伝言メモを顔にして… 私と同じ町内にお住まいです! 第一に機能的で、小さな工夫や さりげないユーモアが詰まったデザインだなぁと思います。 子供が使うもの、子供のいる場面のものも多く手掛けておられます。「コドモノコト」のデザイナーでもいらっしゃいます。 ↑「ポテ木」 飾りつけるのも、取って食べるのも、楽しそう! 東北の伝統工芸(鉄器、漆塗り、箪笥など)を現代の製品に生かしたシリーズ「ひらくら」も、今回出品です。 ***** 加藤那美子 漆 蓮田市出身・在住 輪島で蒔絵、塗りを学ぶ。 私とは同時代に輪島にいて、同じ漆芸研修所出身です。でも、漆の学校ではなく自動車教習所で出会いました! ウェブサイトはこちら。→ ☆ お椀と箸をメインに作り、鬼子母神の「手創り市」にも出店を続けています。 いわゆる「漆塗り」のつるつるした塗面ではない、下地の質感を生かした塗りが持ち味。 下地仕上げの漆器は数あれど、彼女は下地の凹凸を生かして絵を描くので、塗りでありながら模様付きというところが、オンリーワンな魅力です! また、娘さんを育てているので、形も模様も こどもが思わず喜ぶような可愛さがあります。 ***** 小春友樹 江戸和竿 川越市出身・在住 釣り好き。 釣り場で竿師さんと出会い、その門を叩く。 川越には腕の良い師匠が複数いらっしゃるそうで、正統に技を学んでおられます。 タナゴ、マブナ、テナガエビなど、淡水釣りの竿がメイン。 私は、上記の加藤さんを通じて知り合いました。 私は門外漢で、作風について語れることがないのですが、派手に走ることなく、あくまで道具としての丈夫さや機能を大事にするところに 共感しました。 そして、実用に徹した「道具」というのは、自分が使っていないものでも やっぱり美しさがわかるんだなぁ!と感動しました。 ***** 土屋由起子 唐津焼 志木市在住(制作は唐津) 出身地の唐津にて、中里隆氏に弟子入り。 独立後「由起子窯」設立。 結婚されて志木がご自宅になったのですが、それが私の家の数軒先というご縁! 「唐津焼」に抱いていたイメージより、土屋さんのは色も質感も幅広く、自由さを感じます。 器だけで完結するのでなく、お料理を盛った状態、花が生かった姿が全体でしっくりくる、美しい、というところが魅力だなぁと思っています。 ご自身がお料理好きであり、ご主人も日本食の料理人でいらっしゃることも関係するのでしょうか。土屋さんの器は食べ物が美味しそうに見えます。 ***** 谷田貝陵子 革のオーダーメイド 朝霞市出身・在住 高校時代からものつくりを志し、学校と企業でレザークラフトの技術を身に付ける。 独立後、オーダーをメインとする「Vally+shell」を立ち上げる。 谷田貝さんは漆にも興味を持っておられることから、Facebookでコンタクトを頂き 知り合いました。 オーダーメイドは効率化とは逆を行くような、大変な世界でありながら、「お客様の願いを叶えてあげたい」というやさしさが製品からうかがえ、それが谷田貝さんの原動力なのかな、と感じました。 オリジナル品も展開されていて、今回出品してくださいます。 物を出し入れする動作をよく見つめる姿勢はこまやか、従来の形式にとらわれない姿勢は大胆!そのバランスがいいなぁと思いました。 ***** 以上です。 本当は、お一人お一人の作品世界が ちゃんと伝わるだけの量を出していただけるように、十分な制作期間を担保しなければいけなかったのですが、昨秋から今年にかけて急にお願いしたので、出せるものを出していただくという形になりました。 作家さん、お客様の両方に申し訳なく思っております。 それでも、みなさんいろいろ考えてくださっているようです。その方らしさを感じられると思います。 一方、私のほうは出品量の少なさをみなさんに補っていただく結果となり、私ひとりが救われるようなことになりました。 みなさんの作風の共通点は、機能性を重視してシンプルであること、そして柔軟に「こういうのもいいんじゃないか」という提案の意識が伝わってくること、だと思いました。 そして、個性は五者五様! どれも使う場面が楽しくなるもの達だと思いますので、ぜひ会いにいらしてください♪♪ |
【2014.03.21 Friday 22:19】 author : chiewatabiki
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