漆工 綿引千絵の奮闘記
 
「アイヌ工芸―祈りの文様ー」を見て
現在日本民藝館(目黒区駒場)で開かれている、この展覧会へ行ってきた。

民藝館ホームページの画像を使わせていただきました。

以前 「アイヌの漆器?!」という記事を書いたときにも、アイヌに憧れを持っていると言ったが、アイヌの文化をまとまって見たのはようやく今回が初めてだ。

アイヌの手仕事品に囲まれて、形のリズムを目で追っていると、自分の中にアイヌの感性が少しだけでも移ってくるような感覚になった。アイヌの精神性を感じたくて、でも異質で不思議で、とても面白い時間を過ごした。

アイヌの文様「アイウシ」は「棘を持つ」という意味だそうだ。そのとおり、線文様の角や端っこがツンツンと尖ったり、棘が出たりしている。
アイヌの表現で何より惹かれるのがこの「アイウシ」だが、同じように柄に祈りを込めて連続文様を多く生み出してきた和人(=日本民族)が真似しても、決してこのようにはならないというような、独特の文様だ。

意味合いや精神性を考えずに、単純にパターンとして見ても面白い。
左右対称であっても、割と自由に非対称になっている箇所もあるし、平行な線が並んでいるところに微妙に斜めになった線も混ざっていたりする。
有機的な線は、草が伸びているさまのようでもあるし、動物の姿や顔のようでもある。
アイヌ民族は、人間も自然の一部として、都市化していない環境で生きている人たち、という感じがとてもする。
「この線がこう伸びて、こう曲がってここでお終いになっている!そしてまたこんなところから始まっている!」と線を辿るだけでも不思議な気持ちで満たされて、文字通り迷路に迷い込んだような感覚にもなる。
だから余計「こんな美を生み出せる人たちとは、なんなんだ…!」と神秘的な憧れが湧いてきた。

アイヌの作るものは素朴だ。素朴といっても、細工は至って丁寧で手の込んだものもあるから、“プリミティブ”という意味合いの素朴ではない。“ピュア”なのだ。そして、ピュアなものは強い力を持っているなぁとつくづく思った。すっかり魅せられてしまった。


後半は、「アイヌと漆」について新たに知ったことをひとつ。
アイヌが漆器を使っていたことは以前書いた(こちら)。
本州で和人が生産するお椀などを北前船で松前まで運び、アイヌが買い、大事な宝として儀式などで使われていた。
このことを私は知らなかったので、本で読んだときとても驚き、ブログに書いたのだった。

昨日の展覧会では、アイヌが使用した漆器(金蒔絵など割と華やかなのが好き)も展示されていた。そこで、あれっ?と不思議に思ったのが、漆塗りの「イクスパイ」(=酒棒箸)だ。

民藝館ホームページの画像を使わせていただきました。

アイヌは交易で漆器を手に入れていた。だから、用途は和人のそれとはまったく違うのに、和の文化で使われるお椀や天目台や桶がそのままアイヌの暮らしにある。そこが面白い点だ。
だが、「イクスパイ」は和のものではない。形状も施された彫刻もいかにもアイヌという感じで、こんな形の漆器はたぶん輪島でもどこでも生産されていなかったはずだ。
アイヌは漆塗りをしないと読んだのに、これはアイヌ製なのか??

学芸員さんに尋ねたところ、いろいろな資料を当たってくださり、ある書物にそれに言及した一文を見つけてくださった(書名を聞けばよかった!)。
アイヌは、ただ和製の漆器を買い取るだけでなく、いわばオーダーメイドで自分たちの欲しい漆器を依頼していたのだった。
しかも、木を削り、祈りの文様を彫って、「これに漆を塗ってくれ」とオリジナルオーダーをしていたわけだ。

アイヌというと、和人と争って奥地へ奥地へ追われていった歴史を想起してしまうが、このように「和人=請負業者、アイヌ=注文主」という関係も築かれていたなら、もっと違う意味での親密さというか、関係の深さもあったかもしれない。
私も何度か、木工家の彫ったレリーフに漆を塗らせてもらったのだが、塗り方の希望を聞いたり、そのためには彫刻部分はこのように仕上げておいてほしいと要望を伝えたり、それなりに依頼者とコミュニケーションをとって、それを通じて打ち解けていくということがあった。
アイヌと和人がそういった“打ち合わせ”をしていたと想像すると、なんだか微笑ましいような、素敵なことを知った気がした。

【2013.05.03 Friday 12:34】 author : chiewatabiki
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’11−’12秋冬!漆の展覧会!
去年はお休みしてしまいましたが、数年間アップしていた漆の催し一覧(首都圏中心、一部関西)を、今年は復活しようと思います。
漆の催しはなんといっても秋冬が多いので、いま現在、掲載できる分は少ないのですが、今後、続々追加します。
暑さがおさまってきた頃、是非またこのページを思い出してチェックなさってください。
漆のいろやかたちや手ざわりが、みなさまをいい気分にしてくれるように願いつつ…。

私も、秋から冬に計3つの出展があります。いずれかで私のぬりものがみなさまとの出会いを果たせますように。
                    綿引千絵

※店舗情報はギャラリー名をクリックして、各サイトでご確認ください。
※サイトへのリンクのない店舗については、こちらの記事からご覧いただけます。


9月8日(木)〜13日(火) 浦和 楽風(らふ)HPなし。048-825-3910
酒井邦芳 木と漆の器展
自ら漆を掻き、精製し、木を挽き、塗る、まさに「匠」の仕事。木目の美しさを堪能できます。酒井さんについて私が書いた文章はこちら


9月10日(土)〜17日(土) 赤坂游ギャラリー
小椋範彦 漆芸展
芸大の先生。蒔絵にあまり興味のない私でも見とれてしまうのは、ギラギラな感じがなく、図案と素材(貝・金銀粉・色漆)がお互いを活かし合っている、その絶妙感のせいかな、と思います。


9月11日(日)〜17日(土) 板橋 瑞玉
山本進也 漆展
静物画のような食材の蒔絵が印象的。命を食すことへのまなざしを作品から感じられそう。


9月15日(木)〜20日(火) 駒形 カワウソ(HPなし。駒形2‐1‐8‐201)
奇抜な形ではないのに、置いてあるうつわが生き物のように、どこか表情を感じます。これを所有したら愛着がわくだろう、と思います。


9月20日(火)〜 27日(火) 銀座 ギャラリー田中
柏原由貴子 漆芸展
輪島時代から(私にとっては研修所の先輩)平文(ひょうもん)作品を作り続けていらっしゃいます。黒地に銀板のシックな輝きがかっこいいです。正倉院の御物がモダンに変身して眠りから覚めた感じ。


9月21日(水)〜26日(月) 銀座 おかりや
木の家具 角井正夫・漆の器 角井圭子展
恒例のご夫妻展。お二人の個性と調和を拝見したいと毎年願いつつ、まだ叶っていません。


9月21日(水)〜27日(火) 日本橋 三越本店 本館6階
蒔絵 室瀬和美展 ―華・響・綾― 
蒔絵の人間国宝。有職文様のような伝統的形式の中に個性やモダンさがさりげなく見えます。突き詰めた形と図案の緊張感があります。三越なので、伝統工芸展に行く方は必見!
※14日 20:30 NHK BSプレミアム「たけしアート☆ビート」に室瀬さんご出演。


9月21日(水)〜10月3(日) 日本橋 三越本店 本館7階
第58回日本伝統工芸展 


9月23日(金)〜27日(火) 西麻布 桃居
新宮州三 木工展
京都で木と向き合う作家さん。輪島→人間国宝・村山明さんに師事→独立。一木を彫って蜜蠟で仕上げる木箱など、静かに在るだけで表情のある作品。


9月23日(金)〜10月2日(日) 京都 おわんや巧
桐本泰一 いつものうるし展
言わずと知れた?「輪島キリモト」の展示会。お椀とスプーンでカレーを食べるイベントがあるんですって。関西の方どうぞ!


9月23日(土)〜 10月1日(土) 茗荷谷 スペースたかもり ※27日・28日休み
福田敏雄の100椀展
輪島の塗師さん。見せるためでなく使うための器だと感じられる器です。あたたかくて素朴。


10月5日(水)〜 16日(日)
岡田崇人・蜂谷隆之 陶と漆の二人展
益子に暮らすお二人。蜂谷さんの作品は拝見したことがないのですが、私の知る限り、私以外で“漆皮の日用品”に取り組まれている、数少ない作り手のお一人です。ぜひ拝見したかったのですが…。


10月12日(水)〜 17日(月) 銀座 ギャラリーおかりや
奥井美奈 漆展
私にとっては輪島時代の先輩です。人間国宝 室瀬和美先生に師事されています。今回のDM写真は愛らしい形の組み皿。シンプルに無地の塗りで見せるの乾漆作品を追求されています。


10月14日(金)〜 30日(日) 銀座 矢橋工房
矢橋工房展―茶道具特集―
岐阜の会社の東京ショールーム。根来のような風合いや、昔の漆器に型を取った面白い形のぬりものがあります。器から家具までなんでも。


10月20日(木)〜 25(火) 富ヶ谷 ギャラリー日日
赤木明登 ぬりものとお茶
個展を多くなさっている赤木さんですが、また違う趣で、総合的な世界観で、新しい器が見られそうです。毎日午後、ご本人が盆点前でお茶を供されるそうです。


10月30日(日) 目黒 スタジオ目黒ハウス
古民家で、多ジャンルの手仕事の数々。大人の女子の文化祭といった雰囲気。
わたくし綿引千絵、初参加します。漆では、ほかに蒔絵の伯兆さんも参加。また、伯兆×綿引コラボのリング・バレッタも新作・復刻作品ともに出品です!


11月17日(木)〜22(火) 埼玉・志木 ギャラリーSpace M
はじめて漆器を使うなら 綿引千絵展
「漆工たるもの、まずもって“まちの漆器屋”でありたい」との思いで、続けている地元での展示です。
今回はスプーン各種を充実させたいと思っています。使い心地をぜひ知ってほしくて、会期中、私の椀と匙で食す「白玉ぜんざい」がカフェメニューに加わります!
詳細ご確認ください。→こちら



11月19日(土)〜24(木) 千駄ヶ谷 SHIZEN
若林幸恵展
女性らしい絵の付いた椀や、面白い形の手彫り蓋物など、目に楽しい作品が多い印象です。


11月30日(水)〜12月5日(月) 南青山 うつわ楓
小林慎二展
輪島で制作され、赤木明登さんのもとで修業された方。’09年の同店個展ではお椀など出品数が多くてすごいと思いました。


12月3日(土)〜18日(日) 茅ヶ崎 クラフトショップ俊
滝村弘美展
あくまで生活道具に徹していながら美しい!本当の「用の美」だなと思うぬりものです。飛騨で活動。今の職人さんをおいてはもう作れないという、貴重な「曲げ輪」による重箱も、欲しくなる逸品です。


2012年1月10日〜29日 品川駅
「品川てづくり市」による恒例のクラフトフェアです。毎年100人以上の作り手が出店し、綿引千絵も初参加します。
「てづくり市」は震災以来、開催中止を余儀なくされていますので、ぜひこの期間に、私達の手仕事に会いに来てください。会場が駅構内の「エキュート」ですので、どうぞお気軽に!
わたくし綿引の出店に関してはこちらでご確認ください。
【2011.08.24 Wednesday 14:41】 author : chiewatabiki
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井村あづみさんのアクセサリー
私はとてーもカジュアルなアクセサリーを作っている。
うつわを使う中で感じられる漆の温かさ、やわらかさ、色つやの変化を同じように実感できるから、アクセサリーは、漆を楽しんでもらうのにちょうどよいアイテムかと思い作っている。

でも、作る動機が漆に親しんでもらいたいということなので、漆を目と肌で感じる為だけの形になってしまう。つまり素っ気ない形になってしまう。

綿引千絵 革のネックレス(しかく・ねじり)、数珠玉のチョーカー

今まで高級でない漆のアクセサリーというのが世の中にそれほど無かったから、自分では、Tシャツ姿で着ける漆もそれなりに存在意義があるかな、と思っている。
日常的に、言ってみれば腹巻を身につけるのとあまり変わらない感覚で、ただ心地よいから着けている、という風に使っていただければうれしい。


ただ、まぁ、腹巻感覚?のアクセサリーだけでは世の需要は満たせないわけで‥‥お客様がもっと華やかな、もっとゴージャスな、もっとキュートなアクセサリーも求めておられることはうすうす感じていた。

そんな折、昨秋、井村あづみさんの展示会に伺う機会があった。あづみさんは輪島の研修所の先輩。卒業後の活動を今回初めて知り、素敵な作風に感動したのでみなさまにご紹介したい。

黒漆、金箔、螺鈿という漆の技をポップな表現で。

あづみさんはアニマル型トップのネックレス・チョーカーを多く展開されている。


すごいのは、確かな蒔絵の腕があるから、描き込まれた絵柄がとても精緻なこと。あづみさんは輪島の研修所卒業後、人間国宝の室瀬和美さんのもとでも学ばれた。正統な蒔絵技術を駆使しているので、可愛いものを作っても“おもちゃ”にならない。ポップなのに品がある。クッキーのように単純化した形と、大人っぽく格調高い蒔絵のミスマッチが、絶妙だなぁと感動したのだ。

画像が鮮明に出ないので割愛したが、オンドリ型×細かい花文様など、ほかにもたくさんのパターンがある。

可憐で繊細な図案があるかと思えば、こんなパンチの利いたカッコいい系もある。


型抜きシリーズ以外にも、漆玉、貝、木地に蒔絵したペンダントトップ、金属と合わせたリングなど多様な作品があるので、ぜひぜひサイトを覗いてみてください。
できれば、実物は画像の何倍も魅力的なので、展示会場で、蒔絵の技や色合いの妙を楽しんでいただければなぁと思う。




あづみさんは、私には無い「飾る」「装う」「粧う」ということに感性が開いている。
美術館所蔵の硯箱に施されるようなすごい蒔絵技術を、女性の装いに注いでくれている。
私たちが今持っている洋服と合わせて蒔絵を楽しめると思うと、一つ持ちたくなってしまうのではないだろうか?




【2011.02.22 Tuesday 10:06】 author : chiewatabiki
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'09-'10秋冬!漆の展覧会!
 今年もやってまいりました。東京周辺のうるし展情報を掲載いたします。
 ぬりものの世界を見渡すには展示会が一番。作り手が全力で自らの「漆」を表現する機会が、やはり見る方に伝わるものが最も大きいと思います。これからの季節、ぬりものに触れていただければうれしいです。

 10月末には私、綿引千絵も展示会をしますので、みなさまどうぞ足をお運びください!(個展は今回が初です。↓参照)

 ※会場となるお店・ギャラリーの店舗情報は、以前紹介したものについては省略します。アクセスなど、「漆器を扱う店・ギャラリーの紹介」でご確認ください。


2009年

9月2日(水)〜13日(日)
木漆工芸と吹きガラス展
山本冨士雄       
さいたま ギャラリー陶音 048−874-2727
埼玉県ときがわ町の木工家。10月にも志木市で展示されます(↓参照)。


9月16日(水)〜27日(日)
横浜開港150周年記念事業 横浜芝山漆器展
横浜・山手 岩崎ミュージアム 入館料300円
漆器に貝や象牙を貼って絵を表現した芝山漆器。立体的でゴージャスで、蒔絵とはまた違う魅力があります。横浜港より輸出されていた背景からこの地で催しが。下記の展覧会も。↓


9月19日(土)〜11月23日(月・祝)
大・開港展 –徳川将軍家と幕末明治の美術-
横浜 横浜美術館 観覧料1,000円
●関連イベント
 10月25日(日)14:00〜16:00
 市民のアトリエ・ワークショップ
 芝山細工の妙技「お話と実演」
  ※要申し込み、参加費2,000円


9月22日(火)〜29日(火)
“漆”があると毎日が愉しい
―いま、高森寛子が気にし始めた若手3人―

内田徹 鎌田克慈 小林慎二 / 友情参加・福田敏雄
新宿 伊勢丹 本館5階=和食器プロモーション
内田さんは越前の塗師屋さんの6代目、鎌田さん・小林さんは赤木明登さんのお弟子さん。高森さんは言わずと知れたぬりものの伝道者。スペースたかもり主宰。
 

9月23日(水)〜28日(月)
角井正夫・角井圭子展
銀座 ギャラリーおかりや
ご夫婦の作家さん。拭き漆の家具とぬりものの器。


9月25日(金)〜10月4日(日)
第56回 日本伝統工芸展
日本橋 三越本館7階


9月25日(金)〜10月5日(月)
うるし展
小林慎二 中野知昭
目黒区緑ヶ丘 陶木美 03-5731-5171 
どちらも実力ある若手塗師さん。


9月26日(土)〜10月3日(土)
三好かがり漆展
板橋 瑞玉ギャラリー
都会の夜景などがモチーフの蒔絵。


9月30日(水)〜10月6日(火)
浄法寺の漆展III
銀座 松屋6階 特選和食器売り場


9月30日(水)〜10月8日(木)
小川マア/下地ワークス
西荻窪 ギャラリーブリキ星 03−5938−8106 


10月1日(木)〜9日(金)
佐藤阡朗展
東銀座 ギャラリー江
木曽のベテラン塗師さん。特に朱漆の美しさを堪能できるフォルム。


10月2日(金)〜10日(土)
角好司展
銀座 ギャラリー田中
輪島の蒔絵師さん。形も意匠も遊び心に富む。


10月3日(土)〜25日(日)
藤野征一郎漆芸展
長野県松本市 ゆこもり

10月3日(土)〜12月13日(日)
根来
虎ノ門 大倉集古館 03-3583-0781
朱塗の漆器を使ううちに赤の塗面が擦り切れ、下層の黒が所々顔を出した様が美しいと評されて、それを「根来」と称すようになりました。展覧会では、自分が新品をおろして使っただけでは到達できないような、長い歳月によって味わい深く育てられた根来が見られるので、わざわざ出掛けて行く意味があるというものです。


10月8日(木)〜13日(火)
山本隆博 ぬりもの
富ヶ谷 ギャラリー日日
福井の塗師さん。山本英明さんの息子さん。


10月10日(土)〜18日(日)13日休
うるしのうつわ展
鎌田克慈 
世田谷 夏椿 03−5799−4696 
赤木明登さんのお弟子さん。乾漆で器を作られる。

10月14日(水)〜19日(月)
宝づくし 箱瀬淳一漆展
銀座 おかりや
輪島の蒔絵師さん。


10月15日(木)〜20日(火)
'09 木と漆展
山本冨士雄
埼玉県志木市 ギャラリースペースM  048-474-8486
私のお世話になっているギャラリーに山本さんがいらっしゃいます。志木のみなさまお楽しみに!


10月15日(木)〜24日(土)※日休
築地久弥・中條伊穗理展
銀座 ギャラリー田中
ご夫婦展。築地さんは乾漆・塗り・蒔絵のエキスパート、中條さんは蒔絵・螺鈿のエキスパート。高い技術と緻密なデザインで目の保養を。


10月18日(日)〜24日(土)
奥井美奈 漆展
板橋 瑞玉ギャラリー
伝統工芸展出品者。美しい乾漆+塗りの表現。


10月27日(火)〜11月8日(日)
革のぬりもの 綿引千絵漆器展
東久留米 うつわ&カフェかくしち
かくしちについてのブログ記事はこちら
私が2003年から取り組んでいる「革のぬりもの」メインの個展です。革でできることの多様さと、生活道具としての実用性をご覧いただきたい、と企画しました。現在追い込み奮闘中。展示会詳細はこちら


10月29日(木)〜11月7日(土)※日休
佐竹康宏展
銀座 ギャラリー田中
石川県山中の椀木地師さん。独自に研究された拭き漆の技で、美しい木目を引き出されます。12月には茅ヶ崎の「俊」でも。


10月31日(土)〜11月5日(木)
福田敏雄展
千駄ヶ谷  SHIZEN 03-3746-1334
輪島の塗師さん。飾らない器。きっとずっと飽きないと思えるようなぬりものです。


11月11日(水)〜17日(火)
泉泰代作品展
銀座 エポカザショップ日々
刳り物の木地をご自身で手がけ、拭き漆の上に蒔絵、粋です。


11月12日(木)〜19日(木)
生田真弓展
六本木 サボア・ヴィーブル
日本クラフト展大賞受賞者。乾漆で丸くてやわらかいフォルムを生み出されます。


11月23日(月)〜12月1日(火)
野口洋子・真由展
銀座 ギャラリー田中
椿の花をかたどった器が有名な漆芸家。今回は娘で彫金作家の真由さんとの2人展。


11月23日(月)〜12月2日(水) ※24日(日)休
鎌田克慈展 
本郷 愚怜 03−5800−0806
赤木明登さんのお弟子さん。

 
11月25日(水)〜30日(月)
小林慎二 漆展
南青山 うつわ楓
赤木明登さんのお弟子さん。


11月25日(水)〜12月2日(水)
藤野征一郎展
銀座 Hcru+HM
日本クラフト展大賞受賞者。水飛沫のような造形と漆の滑らかさがマッチした斬新な作風。


12月7日(月)〜12日(土)
赤木明登展 
西麻布 桃居
 

12月12日(土)〜27日(日)
佐竹康宏展
茅ヶ崎 クラフトショップ俊
木の種類の多さ、木目の表情の豊富さは、どんな木でも自在に扱える技術があってこそ。



現在、情報収集中です。随時掲載更新します。
【2009.09.05 Saturday 08:46】 author : chiewatabiki
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酒井邦芳さん
 今月はよく更新するなぁ。私にしては奇跡の4回目!今日はあるスーパー職人さんをご紹介します。



 いい職人とはどんな職人か?きっとこの問いは究極で、人それぞれの答えにその人の価値観が表れるのだろうし、ものつくりとしては一生掛けてその答えを探すのだろうと思う。まぁ大きな問いだ。
 でも、憧れる職人は?なら、私の場合簡単だ。一言で器用な人。作業の手付きがかっこよくて、道具をさまざまに工夫できて、仕事が速くて、物を見てパッとどんな工程が必要か勘の働く人。あきらかに職人の手を持って生まれてきた人はかっこいいので、単純に羨ましいし憧れる。
 
 漆の世界に入って、職人技を目の当たりにする場面が当然多くあった。私は残念ながら職人の必要条件「器用さ」は持ち合わせていないので(でも十分条件ではないはずと思って、ほかの要素で補うべく奮闘中!)、そういう達人たちの手を見て一つでも取り入れたいと思うのだ。
 その中でもザ・職人といえる器用さで、幅広い創作活動をなさっている方がいる。酒井邦芳さんだ。


この画像は酒井邦芳さんのホームページより借用

 なんてったって、私の研修所時代の先生で、ご自身がどんな道具も材料も自作してしまうような方が「あいつは何でも知ってるし、何でも教えてくれるから聞いてごらん」と勧めてくれるくらいだから、器用中の器用なのだろう。

 経歴からもその器用さがうかがえる。輪島で蒔絵師さんとして20年以上も活躍された後、故郷の長野に戻って制作を始める。蒔絵の作品を生み出されているのかと思いきや、匙をメインにうつわ全般、あらゆる物を作られる。制作は、木地から塗りまで一貫生産。それだけではなく、漆の木を育て、漆掻き(樹液採取)、クロメ(漆の精製)からご自身で手がけている。


この画像は酒井邦芳さんのホームページから借用

 ここまでされる職人さん・作家さんはほかにもいらっしゃるが、20年蒔絵をされた後でというのが、私などから見たら神業的…、驚いてしまう。実際、塗師が漆の植栽・採取・精製も手がけるという話は聞くことがあり、それだけでもすごいことだが、蒔絵までベテランという方はかなり珍しいと思う。できないことはほとんどないのだろう!

 さいたま市浦和の「楽風(らふ)」で個展をされると知り、そこは今年私が偶然見つけた気になるギャラリーでもあることだし、先月出かけた。


今回はカメラを忘れたので、これは2月に撮影した楽風

 実は以前、松本クラフトフェアで豆鉋や南京鉋を使って匙をスルスルと削られる酒井さんを拝見しており、声は掛けられなかったが「こんなふうに速くスムーズに削れるようにならなければいけないんだな」と、目指すべきところを示していただいた気がした。
 今回行ったのは、もう一度作品とご本人から、何か匙作りのヒントを吸収せねば、と思ったからだ。内心では、でも何を聞こう?刃物に関しては基本的すぎる質問になりそうだし…とビクビクしつつ。


 会場は作品数・種類ともに多くて、見ごたえのある展示会だった。匙以外のうつわ類も、必ず酒井さんならではの工夫が施されていて、一つ一つ手に取るのが楽しかった。
 個人的な印象だが、男性がお気に入りの逸品を探すようなときに是非薦めたいと思った。ごつごつどっしりしているというのではない。むしろ曲線を多用したやわらかいフォルムで、もちろん女性にも好まれると思う。
 男性に薦めたい理由は、何か従来のいわゆる漆器だと重厚すぎて、かといっておしゃれでスタイリッシュなイマドキのぬりものにも親しみづらさを感じてしまう、という方が男性に多いかもと思うからだ。もっと癒し系で、木目が美しく、小さな工夫に満ちた酒井作品は、趣味のコレクションをうれしそうに手入れする男性像にぴったりな気がした(気がしただけですが)。


 さて、私が具体的な質問を用意する間もなく、酒井さんは気さくに話しかけてくださり、道具の事、木の事を何でも教えてくださった。
 意外だったのは、超器用人の酒井さんが私の低レベルすぎる悩みにも「わかるよ」とうなずかれたことだ。「俺もみんなも初めはできないんだよ。やり続ければ必ずできるようになるから」と、ご自身が鉋を学んだ過程のエピソードなど交えて励ましてくださった。
 現代は電動工具が各種そろっていて、大工さんでさえ鉋が上手くなくても家が建ってしまう時代だそうだ。これは酒井さんがある大工さんに言われた言葉として伺ったのだが、「たまにしか自分の刃物を使わなくなってしまうのは仕方のないこと。でも、ここぞというときに自分の鉋が切れなかったら意味がない。だから、少ない機会であってもその時のために、自分は刃物を常に手入れし、上手く研げるよう訓練し続けるんだ。」私にもガツーンときた。

 なんでも簡単にできてしまいそうな酒井さんが努力と継続を一番大切にされていて、我が身を省みるとちょっと恥ずかしかった。
 それから、仕事にも人にも謙虚であること、分け隔てのないこと、素直であること、短い時間接しただけでも酒井さんのそういった姿勢が伝わり、だからよいものが生み出せるのだと感動した。見習うべきは、技よりも先にこの姿勢だった。


 酒井さんは毎年銀座での展示会に出品されているそうです。興味のある方は是非こちらでチェックしてお出かけください!
【2009.07.24 Friday 10:35】 author : chiewatabiki
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ギャラリー Space M
 今日は先日の「陶と漆展」の流れで、会場とさせていただいたギャラリー スペースMについてご紹介したいと思います!
 
 スペースMは埼玉県志木市にあり、週替わりで(驚異的なペース!)非常に幅広い展示をおこなっているギャラリーです。オーナー姉妹の奈良さん、三浦さんが楽しく運営されています。貸しスペース形態ではありますが、陳列や接客のこまやかさはそれ以上の内容だと思います。
 


 ここで展示会をされる作家さんは年々人数もジャンルも増えているようです。私のような駆け出しの作り手も受け入れてくださいますし、今回ご一緒させていただいた野口義博さんのようなベテランの絵描きさんも毎年個展をなさいます。
 
 スペースMは、人と出会わせてもらえるのが一番の魅力です。使い手と作り手、使い手同士、作り手同士、いつの間にか自然に人がつながっていきます。知らない分野の有名作家さんにお目に掛かれることも当たり前のようにあります。
 私がとくに驚嘆したのは、彫紙アートの林敬三さんと、紙の灯りを作る大川修作さんです。お二人とも世界で一人しかできない技法を編み出され、絶妙なセンスの作品を発表し続けておられます。そういったものづくりの先輩方から、お茶をしながらアドバイスを聞けたりすることは貴重だと思います。
 人と出会えるスペースM…、と言ってみたものの、私自身は出不精で、手先だけでなく人と関わるのも不器用で、近くに住んでいながら実はたまーにしか立ち寄りません。たくさん人と会うと自分の中で消化しきれずパンクしてしまうのです。でも、私のような関わり方でも、スペースMはいつでも変わらず温かく迎えてくれます。私はオーナーお二人の才能だと思っているのですが、個性豊かなみなさんそれぞれのスタイルやペースに合わせて接してくださるので、こんな私でも心地よく過ごせて、素敵な人たちと自然に知り合えます。そこが私としてはスペースMの一番好きなところかもしれません。
 
 いつ行っても催しをやっているギャラリーですので、見るのが好きな方も作る方も気軽に遊びにいらしてみてください。ゆっくりコーヒーを飲みたい方にもおすすめです!
 
 スペースMのスケジュール、展示会の様子はこちら
 オーナー奈良富子さんのブログもスタートしました。

【2009.01.29 Thursday 10:45】 author : chiewatabiki
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2008-09 秋冬! 漆の展覧会!
 今年も漆の催しがにぎやかな季節到来です。去年同様、私のわかる範囲で関東周辺の展示会情報を掲載いたします。お店の詳細については、去年「漆器を扱う店・ギャラリーの紹介」に掲載したものは省略させていただきます。
 ぜひお出かけになって、漆の色や質感を手に取ってお楽しみください(手に取れない場合はあしからず)。この冬は、私も展示会をしますのでどうぞよろしくお願いします! 
                          綿引千絵
※2009−10年の展覧会一覧はこちら


'08年8月21日〜9月2日 
季刊「銀花」第155号連携企画展
偉いぞ、漆。

高木 晃、輪島キリモト他多数
池袋 全国伝統的工芸品センター 03-5954-6066
 

9月3日〜6日
四川省震災復興支援企画
PEACE PIECES 下地ワークス

小川マア
南青山 ギャルリーワッツ 03-3499-2662


9月9日〜15日
木地屋やまと 小椋榮一 木工芸展
日本橋 三越本店5階


9月14日〜20日
山本進也展
板橋 瑞玉


9月22日〜27日
新宮州三展
西麻布 桃居


9月23日〜29日
小椋範彦 漆芸展
日本橋 三越本店6階


9月23日〜30日
浦出勝彦展
銀座 ギャラリー田中


9月23日〜10月5日
第55回日本伝統工芸展
日本橋 三越本店7階


9月24日〜29日
第28回 漆光会
小森邦衛、西勝廣ほか輪島漆芸技術研修所出身作家多数
池袋 西武百貨店6階 アート・フォーラム


9月26日〜10月4日
福田敏雄展
小石川 スペースたかもり


10月4日〜9日
大藏達雄−根来塗−展
銀座 黒田陶苑 03-3571-3223


10月4日〜14日
日日のお椀
山本英明、赤木明登など多数
富ヶ谷 日日


10月7日〜12日
鎌田克慈 漆器展
神楽坂 ラ・ロンダジル 03-3260-6801


10月8日〜13日
角井圭子展
銀座 ギャラリーおかりや


10月8日〜19日(13日休)
桐本泰一展 
東久留米 かくしち(私が書いたかくしち紹介記事はこちら


10月11日〜16日
佐藤阡朗 漆展
銀座 銀座たくみ 2階サロン 03−3571−2017


10月15日〜20日
小林慎二 漆展
南青山 うつわ楓


10月15日〜11月9日(月休、11/3営業、11/4休)
うるしのかたち展
増村紀一郎、三田村有純ほか芸大の先生方
上野 東京芸術大学 藝大アートプラザ 050-5525-2102


10月21日〜27日
花であること器であること 野口 洋子の漆展
日本橋 三越6階美術サロン


10月29日〜11月3日
人間国宝認定記念 室瀬和美 漆芸展
池袋 西武百貨店6階 アート・フォーラム


10月23日〜11月9日
八代淳子漆展 
丸の内 パレスホテルB1 現代工芸 遊 03-3213-6081 

 
10月23日〜11月9日(月曜休)
退任記念 増村紀一郎展 漆の美と技
上野 東京芸術大学美術館 陳列館2階 03-5777-8600


10月24日〜11月1日(変更の可能性あり、電話でお確かめください)
仁城義勝展
小石川 スペースたかもり


10月31日〜11月7日
三田村有純展
銀座 ギャラリー田中


11月5日〜10日
佐藤阡朗展
銀座 ギャラリーおかりや


11月7日〜13日
福田敏雄展
銀座 エポカ ザショップ銀座・日々 03-3573-3417


11月18日〜24日
若林幸恵展
表参道 桃林堂画廊


11月19日〜24日
箱瀬淳一展
銀座 ギャラリーおかりや


11月26日〜12月01日
長井均 漆展
南青山 うつわ楓

 
11月27日〜12月3日(日曜休)
「弘前のクラフトマン」それぞれの10年目
須藤賢一ほか
小石川 スペースたかもり 


12月3日〜8日
三好かがり展
銀座 ギャラリーおかりや

 
12月4日〜13日(7,8日休)
大蔵達雄展
青山 酉福


12月5日〜11日
佐竹康宏展
銀座 エポカ ザショップ銀座・日々 03-3573-3417


12月6日〜21日
滝村弘美 漆工展
茅ヶ崎 クラフトショップ俊


12月15日〜22日
赤木明登展
西麻布 桃居


'09年1月15日〜20日
陶と漆展
野口義博 綿引千絵
埼玉・志木 ギャラリーSpace M 048-474-8486
※詳細は「綿引千絵 展示会のお知らせ」に。


今後も随時追加していきます。   





 
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【2008.08.26 Tuesday 10:29】 author : chiewatabiki
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漆器を扱う店・ギャラリーの紹介
 9月から年末年始にかけては漆の展覧会が多くなります。私もいくつか見に行こうと思っているものがあります。
 このブログで漆の話をしてみてはいますが、ぬりものを見て手に取って確かめられる場所をご案内しないと、みなさまに漆のよさは実感していただけないな、と思いました。私が早く定期的に個展ができるようになればいいのですが、亀の歩みでまだしばらく掛かりそうです。
 
 この秋、漆の肌に触れたくなったら気軽にふらっと立ち寄れるような、漆器に出会える店をいくつかご紹介します。東京中心になりますが、私が行ったことのある店だけを載せ、個人的な印象を添えました。(※説明が短い店は、行った回数が少ないために詳しくコメントできないのであり、店の良し悪しを意味しません。)

※以下の展示会情報は2007年度のものです。2008年度については「2008−09秋冬! 漆の展覧会!」をご参照ください。

※2009年度の展示会については「'09−'10秋冬!漆の展覧会!」をご参照ください。

※2011年度の展示会については「’11-’12秋冬!漆の展覧会!」をご参照ください。

●漆器をメインに扱う店
スペース たかもり 小石川
文京区小石川5-3-15 御菓子調進所一幸庵3階
03-3817-0654 tel・fax

作り手と使い手を結ぶ活動を続けてこられた高森寛子さんのギャラリー。買うことを急がずに、存分に見て触って親しんで、という姿勢。山本英明、赤木明登、桐本泰一、長井均、福田敏雄、寒長茂、伏見眞樹、高田晴之、仁城義勝など多くの作り手のものに出会える。営業日は電話確認が必要。
10月18〜27日(木・金・土のみオープン)『須藤賢一の仕事/形と漆展』         

舎林 大阪・阿倍野
スペースたかもり同様、作家物の“日用の器”を多くを扱うお店。展示会も充実しているが、教室も各コース用意されていて、関西の漆の発信拠点となっている。落ち着いた店内だが、実は気さくなオーナーさんの営むオープンなお店。


●漆器を多く扱う店
クラフトショップ俊 茅ヶ崎
漆の良品が豊富。山本英明、佐竹康宏、伏見眞樹、滝川弘美など。常設、企画展ともに充実している。企画展は、広い会場で作家の全体像を見渡せるよう。
11月10〜25日 『山本英明 漆器展』 必ず見る価値あり!

工芸・瑞玉 板橋
品数多い。角偉三郎作品を長く扱ってきた店。企画展も充実。

田園調布いちょう 田園調布
ギャラリーより食器屋さんと呼びたい雰囲気が気に入っている。ここちよい食卓の品が揃う。企画展もあり。福田敏雄、野村俊彰など。

かまくらはたの 稲村ヶ崎
漆を柱に、様々な手仕事を扱う。十時啓悦、桐本泰一、矢沢光広など。
11月3〜10日 『十時啓悦 漆芸展』


●漆展を催す店
桃居 西麻布
オーナーの器選びの眼を感じる店。個性が光る器多い。赤木明登展、恒例。
10月1〜6日 『新宮州三 木工展』 木工と漆工の要素を併せ持つ質感の面白さ。独特のフォルムにも新宮さんらしさが出ていた。
延期 ×12月3〜8日 『赤木明登展』

うつわ楓 南青山
表情豊かでやさしい雰囲気の日用食器。長井均展、恒例。

SAVOIR VIVRE 六本木
遊び心をプラスした日用食器。常設も多い。東日出夫展、恒例。矢沢光広など。
11月10〜18日 『生田真弓展』 日本クラフト展で素敵なポシェットが入賞した方だ。
12月20〜27日 『東日出夫展』

ギャラリー介 渋谷  2008年6月閉店予定
自然光のもと器の色つやかたちがよく見える。吟味された企画展。八代淳子展、高田晴之展、藤野征一郎展など。
9月19〜25日 八代 淳子『漆のうつわ』展 若い世代の方には特にお勧めしたい器だった。モダンでいて温かみがある。
10月13〜23日 『工藤茂喜展』  
11月10〜20日(15日休) 山口浩美『蒔絵』展


酉福 南青山
実力者の個展多い。骨董や美術品の企画展もあり。鈴木睦美展、恒例。隣には若手が出品するボックスギャラリー。
9月1〜7日 『鈴木睦美 漆展』 今回も曲線が美しかった。

ギャラリー江 銀座 
中央区銀座4-13-15 成和銀座ビル2階
03-3543-0525

器だけでなく工芸全般の企画展。堅実で落ち着いた作風多い。佐藤阡朗展、恒例。
10月1〜9日 『漆工房 創元舎 佐藤阡朗漆展』 

日日 富ヶ谷
エルマー ヴァインマイヤーさんが選んだ手仕事の品々。普通の住宅がギャラリーになっているので、品物を自分の生活空間に置いた雰囲気が想像しやすい。赤木明登、山本英明、大場芳郎、角偉三郎、仁城義勝、谷口吏など。

ギャラリー田中 銀座
中央区銀座7-2-22 同和ビル1F
03-3289-2495

美術的な作品展多い。伝統工芸展・日展作家の大きな作品から小物まで、間近で見られる。小椋範彦、大谷早人、鳥毛清、三田村有純など。普段使いでは佐竹康宏など。  
10月18〜27日(日曜休) 『築地久弥 漆芸展』 
11月9〜17日(日曜休) 佐竹康宏『木と轆轤と漆展』                    

ギャラリーおかりや 銀座
中央区銀座4-3-5 銀座AHビル
03-3535-5321

工芸のギャラリー。内容が充実した個展多い。箱瀬淳一展など。
9月26日〜10月1日 『角井正夫・角井圭子 展』
11月21〜26日 『箱瀬淳一 漆芸展』

桃林堂画廊  表参道
港区北青山3-6-12 みずほ銀行ビル1階
03-3400-8703 

和菓子店併設の工芸ギャラリー。週替わりで年中展示がある。芸大生・芸大卒業生をはじめ、若手の個性溢れる作品が多い。
 

●作り手個人の店
輪島キリモト 日本橋三越
桐本泰一さんプロデュースの漆器、漆インテリア、漆小物など幅広い品揃え。オーダーメイドも受け付ける。

DUCO 東玉川学園 
渡辺和子さんの工房とギャラリー。修理工房だが、オリジナルや他作家の器も置いている。企画展にはテーマを設定し、作家が取り組む。角好司など。



また、9月18〜30日(東京会場 日本橋三越7階) 第54回日本伝統工芸展もお見逃しなく!


このほかにも素敵なお店があるので、このページに随時追加していきます。  



【2007.09.07 Friday 09:09】 author : chiewatabiki
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静嘉堂文庫「<和>のうるし」展
 今、静嘉堂文庫美術館で「〈和〉のうるし ―蒔絵・螺鈿・漆絵・根来―」という展覧会が催されている。規模は大きくないが見応えがある。面白かったので、感想はまとまっていないけれど、会期が終わらないうちに紹介します。5月27日まで。
 


 江戸時代の蒔絵が中心ではあるが、全体では室町〜明治時代、味のある根来から豪華な蒔絵まで、他にも印籠、琉球漆器、刀の鞘など、展示作品は多岐にわたっている。そのすべてが静嘉堂の所蔵品なので、岩崎コレクションの質と量はすごいものだと思った。
 
 私が好きだったのは、まず根来の足付き鉢。使い込まれたことで朱漆の色具合・擦れ具合がいい塩梅になっていて、心地よかった。古びるというのではないし、味が出る、貫禄が出るというのでもないこの感じは、何と言うのだろう。きっと骨董用語では何か表現があるのだろう。人に添うというか人を寄せ付けるというか、やさしくてあたたかい雰囲気をたたえている。前にも骨董屋で、同じようにいい感じに時代を経た朱の椀を触らせてもらった。寺の僧侶が使っていたらしく、室町か桃山期のものだったと思う。18万円で、買えないが欲しかった。そばに置いても絶対いつまでも飽きないと思った。
 骨董屋の椀も静嘉堂の鉢も形がおおらかで、胴から腰への張り、丸いラインがスマートでもなく野暮ったくもなく、豊かな感じがした。自分の椀や鉢にもおおらかさが出せるといいな。

 柴田是真の作品がいくつか見られたのもうれしかった。中でも漆絵の重箱!これは最高に気に入った。こんな気の利いておしゃれな重箱は初めて見た。
 五段重なのだが、地の色が一段ずつ色が違う。蓋と最上層は黒、次は銀、朱(ワインレッド)、洗い朱(柿色)、深緑の順だ。この色の組み合わせが絶妙でかっこよかった。照明の関係か、深緑がほとんど黒に見えてしまい、銀は時代を経て黒ずんでいるので、全体的に落ち着いた調子に映るが、当初はもっとビビッドだっただろうから、なんてかっこいいんだ!と思った。この色合いをそのまま洋服のコーディネートに持っていってもぴったりな感じだ。
 たぶんポイントは朱の色味なんだと思う。朱の顔料には本朱、赤口などの種類があるがそれには当てはまらず、どちらかというと朱溜のような、でも溜塗ではない深み、なんとも言えず重箱全体を締めていた。偶然そこに居合わせた輪島研修所の先生が(これがすごい偶然で、輪島からの一行の中に友人2人もおり数年ぶりのうれしい再会となった!)、「これはうるみ(朱に黒を混ぜた色)だよ」と教えてくれた。普通のうるみのような茶色感がなかったので気付かなかった。きっと黒の割合がほんの少しで、顔料に対して漆を多めにしてあるから透明感のあるワインレッドなんだな。絶妙だな。感心しきりだった。
 一段ずつ違う色なのに、図案は五段をいっぱいに使った絵で、大きく水が流れる表現が大胆でまたかっこいい。でも大河とか海原ではなく、のどかな風景の中さらさら流れる川なのだ。表現技法はダイナミックなのに印象は静かなんて不思議だ。うまいなぁ。
 所々に配されたカラスや柳や杭などがまた利いていて、絵の動きや色のアクセントになっている。数羽のカラスは可愛らしくてユーモアも与えているようだ。本当に良くできた構成だと思った。楽しくてかっこよくてかつ渋い、手元に置きたくなる重箱だった。
 
 重箱の説明で勢い余ってしまったが、ほかにも原羊遊齋の印籠とか、尾形光琳の有名な住之江硯箱、棗の蝶々も素敵だったし…、見どころいっぱいのうるし展だった。

 
【2007.04.29 Sunday 09:18】 author : chiewatabiki
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震災復興支援!輪島塗販売します
 先日「輪島塗の良さ」の項で、輪島の支援を呼びかけました。そのときは自分で輪島塗を宣伝しながら、具体的なお店やお勧め商品を紹介することができなかったので、何かもう一歩踏み込んだ行動が取れたら…と思っていました。
 
 その矢先、私がお世話になっているギャラリーのご厚意で、近日、輪島塗販売の機会を頂きました!ギャラリーの企画展に急きょ飛び入り参加させてもらう形です。私の修業した漆器店が、地震で多少の傷が入ってしまった品や数が揃っていない品を、お手頃な値段で展示販売いたします。輪島塗というと、デパートや老舗店のショールームでは気軽に見づらい雰囲気もあるかと思いますが、今回は輪島塗をあらためて知っていただくだけでも有り難く、多くの方に見ていただきたいです。是非お近くの方はお気軽にいらしてください。
 もし足を運ぶことができなくても、何かお探しの器がありましたら、私が品物の情報(価格・サイズ・写真)をメール等でお知らせすることもできます。どうぞお問い合わせください。


企画展「みんなで遊ぼう」
  震災復興支援
  輪島塗キズもの・半端もの販売

日時:  2007年5月10日〜15日
場所:  ギャラリー Space M
         埼玉県志木市本町1−2−2
         048−474−8486
         11〜18時(最終日17時迄)


よろしくお願いいたします!


↓直前追加情報(5月8日現在)↓

 出品商品
 汁椀、まり椀、夫婦汁椀、合鹿椀、
 丸盆、半月盆、小判盆、ラグビー盆、瑞祥盆、
 銘々皿、木皿、長手銘々皿、茶托、
 二段重、三段重、丸重、小重、
 小箱、ぐい呑み、…など40品目

 傷物の状態は、裏面にかすかな擦り傷がある程度です。
 ご希望により修理も可能。

 是非お手にとってご覧ください。



↓追加情報(5月10日現在)↓ 
こんな器が並んでいます










↓追加情報(5月12日現在)↓
商品を補充しました。
目に見える小さなキズがあるもの、数の揃わない商品を
さらにお買い得価格でご提供します!














【2007.04.27 Friday 08:57】 author : chiewatabiki
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