中野下漆器店こと漆工 綿引千絵の奮闘記
 
エキュート品川の出店、終わりました
明日1月29日が最終日の「品川てづくり市@エキュート品川」、雪や風邪やご多忙でまだいらっしゃっていない方!どうぞお見逃しなく! 是非!!



私は一足早く、ブースでの出店を終えました。
5日間ではありましたが、なんと多くの方に出会えたことか!お話しできた中では、西は福岡県、一番北は北海道からで、その方はわざわざ私のものを見にいらしてくださったお客様でした(驚)。そのほか、お勤め帰りの方、飛行機や新幹線からの乗り継ぎの方、品川てづくり市ファンの方、みなさまどうもありがとうございました。


今回は、初日に並べたものは前半にほとんどなくなってしまったり、3・4・5日目にポツポツ追加したものは前半のお客様にご覧いただけなかったり、ご迷惑おかけしてしまい申し訳ありませんでした。

それにしても、はじめて漆器に触れる方や、漆器でも漆皮(木地でなく革に漆を塗る方法)ははじめてという方が、抵抗なく自然に私のぬりものを受け入れてくださったことは、とても幸せでした。

みなさまの表情やお言葉からたくさん学ぶことができました。次作に生かせるよう、より一層精進いたします。

今まで、恥ずかしいので自分の姿はさらさないでいたけれど、出会ったみなさまに覚えておいていただきたいから、載せてみます。


今回、一番よい反応をいただいたのは、とても薄くて小さな品、「茶匙」でした。圧倒的な「掬いやすい」とのお声、励みになりました。
(右の黒だけちょっと違う作りのタイプです)

同じくらい目を留めて、手に持っていただいたのが「赤子椀」でした。
このモリモリごはんの写真が、説得力を持ってくれたようで!


反省点は、「何の変哲もないけれど、飽きず、使い勝手もよし」と自分なりに思っているものが、あまりご紹介しきれなかったことです。
それは会場の雰囲気からしても仕方のないことですが、私としては、「銘々皿」などの目立たないうつわが、実は日々の食卓ではもっとも使用頻度が高くて、細部の微妙な形状に心を砕いたものでもあります。
でも、みなさまの気に留まらなかったのは、私のうつわにまだ存在物として力が宿っていないということなので、まさに反省点です…。

この「使いやすい器と見栄えのする器」という話題、まだ少しお話ししたいので、次の投稿にまわします!

それから、同じ期間に出店していたすばらしい作り手の面々、そのみなさんとの出会いもとてもうれしかったので、またあらためて記事にします♪


なお、「品川てづくり市」は、今年も引き続き休止を余儀なくされるそうですので、関東のみなさまに気軽に見ていただける別の拠点を探そうかと思っております。
どうぞお楽しみに〜。またお目にかかれる日まで!

【2012.01.27 Friday 20:09】 author : chiewatabiki
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【変更告知あり】品川てづくり市@エキュート品川
昨年より予告していた品川の出展が近づいてまいりました。

品川てづくり市@エキュート品川
会期: 2012年1月10日(火)〜 29日(日)
場所: JR品川駅構内 エキュート品川 2階
    「シーズンプレゼント」エスカレーター上がって左すぐ
時間: 月〜土 10:00 〜 22:00
            日・祝 10:00 〜 20:30


ただ…本人がこんな弱気なことを申してはいけないのですが…、
私に関しては、当初の予定よりずっと小さい規模の出店となってしまいそうです。
昨年12月の作業が予定外に苦戦してしまい、注文品の仕上げに明け暮れ、この出店に向けた制作がほとんどできなかったのです。
楽しみにしてくださっていた方には大変申し訳ありません。

私の出店期間にも変更がございます。どうぞご注意くださいませ
綿引千絵の漆器をご覧になれるのは、20日〜24日のみです。
(状況によっては25日〜29日も引き続き陳列)
(10日〜19日は陳列なし)

(※1月16日記 本日、下見してきました。看板左上の写真、私のチョーカーが採用されてました!やった♪ この看板の右隣ブースに私が出店します。)

出品物のほとんどは、11月の個展に出したものの一部です。
追加で仕上げた少量を足して、かなりこじんまりした売り場になると思います。
ですので、個展をご覧くださったみなさまには、あまり見応えがないことをお詫びします。
まだ私のものをご覧になったことがない方には、“普段づかいの漆皮”の感触を少しは感じていただけるかな、と思います。ほかに、「赤子椀」など木地に塗った普通のぬりものもあります。

看板に見える写真はこれ。チョーカーは種類いろいろ、すべてカジュアルですが、15本くらいあります。

それから、唯一オススメできるのは、楽しんで相談しながら生まれた、お二人の蒔絵師さんとのコラボです。伯兆さんと井村あづみさん、どちらも素晴らしいセンスの持ち主です。こちらも秋に出品していたものではありますが、一点物ばかりなので、蒔絵がお好きな方にはぜひ出会っていただきたいです!

井村あづみ 蒔絵壁掛け「花唐草」

蒔絵屋 伯兆 バレッタ(大)「孔雀」

私の物はともかく、このイベント自体はとても楽しめるものだと思います!
なにしろ、100名ほどが心をこめて作った手仕事を、毎日少しずつ入れ替えて並べるのですから!(常に全員の品物をご覧いただけるわけではないようです。)
ぜひ、お好みの作風を探しに遊びにいらしてくださいませ。

「イチゴ硝子」さん。持ちやすいグラスなど。シンプルにしておしゃれな形、丸まっこくなくてシャープだけど優しい感じでした。

「品川てづくり市の会」サイトはこちら
昨年までの会場の様子は こちら
エキュート品川のサイトはこちら
【2012.01.08 Sunday 12:44】 author : chiewatabiki
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明けましておめでとうございます

 

遅れましたが、新年おめでとうございます。
みなさまにとりまして、よき一年となりますようお祈り申し上げます。


ところで、上の写真は「episteme」という化粧品ブランドのお正月用DMです。
私の「銘々皿(朱)」を使っていただいたので、年始のご挨拶がてらみなさまにご覧いただきました。

DMデザイナーさんのご説明によると、赤いお皿はお正月の「和」な雰囲気を出すために使ったそうです。
それから、ほかを白にすることで赤を引き立て、初日の出のイメージにも引っ掛けているそうです。
右の白い丸3つは、化粧品ボトルのキャップなんだそうです。皿と併せて丸が4つの構成で、素敵ですよね。

「episteme」は伊勢丹、高島屋、東武などの百貨店に入っているそうですね。私の理解が正しければ、肌の健康や内側からの美をコンセプトに化粧品開発をなさっているようです。
店頭でこのDMを置いているか不明なのですが、よろしかったら覗いてみてください!


DMの銘々皿、違う角度で見るとこんな感じです。

もちろん和菓子や、それこそおせち料理の取り皿など、ハレの場面にも合いますが、我が家ではいつもの食卓で頻繁に使っています。
やっぱり取り皿として使うのが一番多いです。和洋中、何でも入れます。
それから、茶托にも使えます。

深さがわかるように、ちょっと影を入れて暗めに撮りました。

ふちは一応、地面に垂直にしてあります。漆の表面張力で丸みがありますが、時間が経つと漆がしまってくるので、もう少しシャープになります。
以前、畠山記念館で茶道具の渡辺喜三郎の器を見たときに、こういう垂直なふちがあって、「潔くてかっこいい!」と惚れ、この形を取り入れてみました。その器が何だったか、実際のふちの形状ももう思い出せないのですが。

作り始めたのは2003年で、独立後はじめて作った器のひとつなのですが、昨年マイナーチェンジを加えて新たに発売しました。少しだけ雰囲気も変わったかもしれません。
より使いやすく、安心感の持てる形になったと、自分では気に入っています。


この銘々皿は、間もなく始まる品川てづくり市に出品します!
「朱」は確実に出しますが、「溜」と「目はじき」も間に合えば出します。
「なんだ宣伝か」と言われてしまいますね。正月早々、失礼いたしましました。

!!ご注意!!
「品川てづくり市@エキュート品川」について、訂正がございます。
会期は1月10日〜29日で変わりないのですが、私の出展期間が変更になりました。
全会期とおしての陳列はなくなり、20日〜24日のみご覧いただけます。
その5日間は私の専用ブースが設けられ、私自身が販売いたします。
よろしかったらお立ち寄りください。



昨年は、出展も重ねましたし、出会いも多く、手ごたえも感じられましたが、作業の仕方や仕事生活としては全く不本意な年でした。反省ばかりの年でした。
今年は、きちんとした年にしたいです。落ち着いて漆に向かえる態勢を作りたいです。

今年の抱負!
・余裕のあるスケジュールを組み、しっかり任務遂行すること!
・仕事部屋の収納を変えること!
・刃物をどうにかよい状態にすること!
・頭にあるいくつかの新作を形にすること!
・椀をちゃんと取り組むこと!
・和装小物を研究すること!
・漆のクロメを学ぶこと!(実はまだやったことない)
・ホームページをなんとかすること!

書き出しただけで滅入ってしまいましたが、今年も楽しみな予定を立てていますので、いろいろご案内、ご報告できるようにがんばります。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

【2012.01.07 Saturday 13:08】 author : chiewatabiki
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個展のご報告
先日22日に、個展「はじめて漆器を使うなら」が盛況のうちに終わりました!
足をお運びくださったみなさま、本当にありがとうございました。

地元の展示会では、前回までは「千絵ちゃんが赤ちゃんの時から知ってる」というようなご近所のみなさんやギャラリーの多くの常連様たちに、支えてきていただきました。

なのに、今回は様相が一変!

「ブログ読んでます」とか「漆のことを調べていたらあなたのホームページを見つけました」とか、今まで出会ったお客様からのご紹介とか、お客様が贈られた先方様で私の器を気に入ってくださった方とか…、幅広いみなさまに埼玉の志木くんだりまでお越しいただき、とてもありがたい気持ちになりました。
のろまなりに地道に仕事していれば、結果がついてくることもあるんだなぁと実感いたしました。



今回焦点を当てたスプーンのこと。
私が追い求める“使いやすい匙”をご紹介したい、という企画でしたが、柄の角度やら握る手の形やら、分析的なことをあれこれ説明しても押しつけがましいかなぁと躊躇するところがあり、スプーンごとの特徴を壁に貼り出して図解するだとか、箇条書きにするとかは、結局やめました。

でも今回は、「白玉ぜんざい」というありがたい助っ人がいてくれたので、私はラクしてしまいました。「実際に使う」ことは私の言葉より百倍伝える力を持っていて、いや、五感の力ってすごい!と思いました。
こちらを(↓)カフェの期間限定メニューとして、私の匙と椀で食べていただきました。


これは赤子椀とデザートスプーンです。
このほかに飯椀(小)とおかゆスプーンでもお出ししました。

口当たり、握りやすさ、掬いやすさ、口への注ぎやすさが、言葉を介さずとも感触でたちどころに感じられるようで、みなさまに喜んでいただけました。

それから、漆の赤・黒と白玉の白(それと煎茶の緑)が目にも鮮やかで、それを見て漆器を使う楽しさを実感なさった方も多かったようです。
こんなお言葉もありました。
召し上がった後でお客様のほうから「いつも食べている普通のものでも、漆だとおいしく見えそうだね」、で、私「そうなんです、普通のものでいいんです!」。うれしいやりとりでした。


左からバターナイフ、コーヒースプーン、煮豆匙、デザートスプーン 
                         
おかゆスプーンと大人椀               


今回(今回も、ですが)、一番みなさまに立ち止まっていただいたのは、実はスプーンよりもここだったかもしれません。↓


私もこのコーナーの雰囲気が大好きでした。

ギャラリー Space M は常設を置かず、週替わりで企画展を一年中続けているという珍しいギャラリーなのですが、展示によって別の店かと思うくらい雰囲気が変わります。というのも、陳列に使う大道具・小道具が豊富に揃っていて、ジャンルが変われば台や棚から丸っきり違うしつらえになるのです。

この壁は通りからいちばん目に入るスポットですが、今回は指輪の色と形がよく映えるガラス棚になりました。
ディスプレイの雰囲気も手伝って、5段の棚に並べた「うるしリング」は、終了時には3分の1ほどの数に減り、どれもぴったり似合う方にお嫁入りしていきました。


今回お越しになれなかったみなさまへ!
個展の残りの在庫(残り物には福がある!!)と新たに仕上げる器を引っ提げ(?)、1月にまた出展します!
期間が長いのと、交通の便がこの上なく良いので、よろしかったらお立ち寄りくださいませ。
 
 品川てづくり市@エキュート品川
 
 場所: 品川駅構内 ecute品川

 会期: 2012年1月10日~29日
             会期中ずっと私の品物は並びますが、 
     20日〜24日は、私が店頭におります。
     私専用のブースが設けられるので、
     その時のほうが品揃えが充実していると思います。
     2012.1.7.記 !訂正です!
             綿引千絵は20日〜24日のみ
     出展することになりました。
     どうぞご注意くださいませ。

 出展作家: 品川てづくり市の会員が100名ほど
 
 詳細は当ブログで後日お知らせいたします。



※上に掲載した写真は、お客様が撮影してくださったものとギャラリーのサイト内の画像を、それぞれご提供いただきました。
私自身が撮影できなかった分、かえって美しい画像を載せることができ、感謝です。


2011年12月9日追記
おかげさまで、個展の売上金の一部を、東日本大震災で被害を受けた文化財の修復事業に寄附することができました。
みなさまどうもありがとうございました。
寄付先の団体名は、「文化財保護・芸術研究助成財団」です。
【2011.11.26 Saturday 20:54】 author : chiewatabiki
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週末はぜひ「はじめて漆器を使うなら」展へ!
PCの不調で投稿が遅れてしまいましたが、本日より個展が始まりました。
お天気にも恵まれ、楽しみにしてくださっていた方々に、下手な説明も聞いていただき、じっくりご覧いただけて、よい初日でした。

個展詳細、あらためてご確認くださいませ。→こちら

はじめて漆器を使うとしたら、または、もし一つだけ漆器を手元に置くならば、実は匙が、一番ぬりもののよい特徴を兼ね備えているかもしれません。いろんな食事やおやつで活躍してくれるだろうカトラリー、一度お試しになってはいかがでしょうか?
匙を使っていただけたら、目と手と口できっと漆の魅力を感じていただける!と思って 今回は匙を各種ご用意しました。

カフェでは私の椀と匙で白玉ぜんざいをお出ししているので、今日もみなさまに持った感じや口当たりをたしかめていただけました。百の言葉より説得力があったようでうれしく思っております。
こちらを使っていただきます。↓ そしてこれは、ご購入も可です(今回仕上げた新品ですが、6日間使用するのでお値引き価格となります)。

デザートスプーン

おかゆスプーン

飯椀(小、簡素な塗りバージョン) 

赤子椀



今回は二人の素敵な蒔絵師さんとコラボさせていただきました。
どれも素敵なので、やはり実物をご覧いただけたらと願ってやみません!

まず、2009年からコラボを重ねてきて、毎回新たな感動をくださる 蒔絵屋 伯兆さん。

バレッタ 「孔雀」
羽の先にたくさん丸の貝があしらわれて、愛らしさ抜群になっていますよね。


リング 「bonbon」
こちらは本当は、光が当たるともっと濃い青や濃い緑、濃いピンクが代わる代わる輝きます。2009年作品の復刻版です。

ほかにも、バレッタで「chou」「gift」「omiaeshi」、リングは「stripe」、椿の実のチョーカーに金の模様を入れたの、があります。
長く伯兆作品の前に立ち止まって、楽しそうにお話しされる女性同士のお客様を何度も拝見しました。こちらもうれしくなります。


今回初めてコラボさせていただいたのが、井村あづみさんです。あづみさんの展示会に伺って、繊細な中にユーモアやキュートさの見える作風に惚れ、今回壁掛けを依頼しました。

あづみさんは輪島の漆芸研修所の先輩でした。輪島での勉強を修めたのち、人間国宝の室瀬和美さんの元でもさらに技を磨かれました。

井村あづみさんのウェブサイトはこちら
井村あづみさんについて書いた私の文はこちら

今回は、雑器を作る私に合わせていただき、たしかな技を駆使しつつ、親しみやすいものを考えてくださいました。

花唐草

私の永遠の憧れ「連続文様」。あづみさんはご自身の作品でも連続文様を一面に描きつめたアクセサリーなどを様々に作られているので、私のイメージを叶えてくださると確信し依頼したのです。
10兒擁の板にモダンな連続文様を配して、玄関だったり洗面所、階段、棚の上など小さい面積の壁にさりげなく飾るインテリア、生活空間で自然に楽しめる蒔絵、というコンセプトです。
このコンセプトにも共感してくださり、見事、飾ったらうれしくなりそうな、小さな至福の板が完成しました。

この板は25mm厚なので自立しますし、また、裏に穴があいているので画鋲や釘で壁にぴったり架けられる構造です。

街並み

こちらは縦の線が貝になっているので、色調も質感もこの画像よりずっと変化に富んでインパクトがあります。
幾何学模様の組み合わせとも言える四角や三角や線の構成ですが、どことなく漂う温かみやユーモアがいいですよね。


これらの強力なコラボ品にすっかり頼りつつ、ささやかに開催しております拙個展にどうぞお出かけくださいませ。白玉ぜんざい共々、お待ちしております♪






【2011.11.18 Friday 00:55】 author : chiewatabiki
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みんなのアート広場@目黒に出ます
今月最後の日曜日、楽しい催しに参加いたします。
手仕事のもの、和小物がお好きな方にはきっと楽しんでいただけると思います!
たった一日ですが盛りだくさんで、物とのうれしい出会いがあるのではと思います。
どうぞできるだけ早い時間にお越しくださいませ!


第2回 みんなのアート広場

とき  2011年10月30日(日) 10:30〜18:00
ところ スタジオ目黒ハウス
     古民家です。
     JR目黒駅から徒歩4分   
 

お問い合わせ先:「みんアト」事務局 03−5276−2130
※入場無料です。
                
出店作家
・朱緋紅屋   つまみ細工
・OPTIMIST  ビーズ小物
・茶部     お茶会を開催
・雨玉舎    木版画
・蒔絵屋 伯兆  蒔絵
・KIMONO MODERN 着物デザイン
・あんみ通   津軽三味線ユニット
・te.to.te   手づくりお菓子
・makumo   テキスタイルデザイン
・わびすけ   木工製品
・にのに    布小物
・楠 耕慈     野草家
・岩城 里江子   アコーディオン奏者
・甘夏書店   古書販売
・Coklico    造形作家
・オルネドローズ フラワーデザイナー
・ざぱん    天然酵母パン
・sova*      布作家
・小林伸幸   写真家
・中野下漆器店 漆
・中野光太郎  染織作家
・Glass Onion ガラス作家
・しんぶんぶ  新聞バッグ制作

公式サイトで出品される品物たちをご覧くださいませ!→ こちら

私は今回、リングとボタンが中心ですが、バレッタ、チョーカー、そして器と箸置きも少し出品します。

そして、伯兆さんとのコラボが今回充実していますので、ぜひぜひご覧いただきたいです!

花園
シルバーのバレッタに、お庭みたいな可憐でにぎやかな情景を黒のシルエットで。 


ohaziki
指先ほどの小さなボタンに貝を貼ってくれました。黒い服などに付けていただけたら効くだろうなぁ。

公式サイトのほうにも、ほかのコラボや私の品物が載っています。
気になる物がありましたら、会場でお手に取ってくださいませ。
お待ちしております!
  
【2011.10.21 Friday 15:10】 author : chiewatabiki
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来月、個展いたします
先日の記事でも触れましたが、私は地元での活動をとても大事に思っていまして、展示会も2年に1度くらいのペースで開いています。
またその時期がやってまいりました!


はじめて漆器を使うなら 綿引千絵展

とき    2011年11月17日(水)〜 22日(火)
       11時〜18時 ※最終日は17時まで
ところ ギャラリー Space M 
               志木市本町1−2−2
     048−474−8486  
     東武東上線 志木駅 (池袋から急行で20分)
     東口からバス乗車 5分、「富士道入口」下車、徒歩1分

※会期中、赤子椀とスプーンで食す「白玉ぜんざい」がカフェメニューに加わります。
※売上金の一部を被災地の文化財修復保護活動への支援金として送ります。
  2011.12.9.ご報告 お陰様で、本個展の売上金より
  「文化財保護・芸術研究助成財団」へ寄附金を送ることができました。
  みなさまどうもありがとうございました。

今回の展示は、めずらしくカトラリーに焦点を当ててみます。

私の漆器は、匙に限らずすべてが「はじめて漆器を使うなら、こんなものはいかがでしょう?」というご提案のつもりで作っています。
器だとハードルが高く感じる方にはアクセサリーや生活小物を、漆器の価格や高級感に抵抗のある方に向けて「革のぬりもの」(=漆皮)を、という具合に、自然に使い始められるものを追い求めています。

こどもスプーン

ある時ふと思ったのが、スプーンってたくさん揃えなくても1本持つだけで楽しめるし、食器との取り合わせに悩む必要もないし、漆の質感を手と口で感じてもらえるし、使って洗ってを繰り返すから艶もしっかり出る‥‥。
!!!
はじめて漆器を使うなら、もしくは一つだけ漆器を買い求めるなら、作り手として一番お薦めできるのがスプーンかも?!と思い至ったのです。

これから漆器を使ってみようかと思われている方、また、漆の匙をお探しの方、埼玉県民といわず、東京や関東各所、お越しになれるみなさまにご覧いただけたら幸せです。


出品するカトラリー(木地は朴、手彫り)
コーヒースプーン、こどもスプーン、デザートスプーン、おかゆスプーン、カレースプーン、レンゲ、煮豆匙、茶匙(←これのみ漆皮製)、バターナイフ、菓子切り



僭越ながら私の匙のセールスポイントを。

漆の匙は食卓に“和”な雰囲気が出せる一方、少し使いづらそうな印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
私も「雰囲気だけの匙にはしたくないな」と思い、機能性(=“本当に”使いやすいこと)を見つめてみたつもりです。

手前から おかゆスプーン、デザートスプーン、コーヒースプーン

〇ちやすさ、掬いやすさ、8当たり、じへの注ぎやすさ
この4点を意識しています。

4点が成立するために、次のような工夫をしています。
・用途によって、掬う部分の形/深さ、柄の形/太さ/長さ/角度を変える。
・掬う部分が厚ぼったくならないようにしている。
・形状は、直線箇所を作らず、すべて曲線にする。

最後の点が私ならではの特徴かもしれません。
私の匙は、掬う部分はもちろんですが、柄も、頭と柄をつなぐ部分も、上、横、前、後ろ、どこから見ても曲線だけで構成されています。
柄を持つときの手に沿う形を考えたら、自然とこうなりました。

真っ直ぐの柄もかっこいいし、実際、真っ直ぐな形状でも問題なく使えるでしょう。ですが、私は人並み外れたぶきっちょで、日常生活でも物を落としたりこぼしたり、ドジばっかりしている人間です。そんな私なので、生活道具は少しでもストレスのないもの、扱うのが簡単なものであってほしいと願ってしまいます。
「使いやすさ」を第一に考えるとき、直線より曲線の方が断然やさしいので、こんな形が出来上がりました。
曲線の柄を持ってみると手にフィットして、掬う時にも無駄な力が要らず、楽に掬えることが感じられると思います。楽によく掬えると、無駄な摩擦・傷つきを防ぎ、結果的に長く使えるのだろうと思います。

この形で特に喜んでいただいているのが、子供たちとお年寄り、手の自由が利きにくい方です。
手が器用に動かせない人にとって楽な形ではありますが、それは健常者にとってももちろんのこと、使いやすい形のはずと思っています。「これぞユニバーサルデザイン」などと私はお客様にご説明しています。

全面曲線の形を一本ずつ手彫りしているので大量には出せませんが、この機会にぜひ会場でお手に取ってくださいませ。


次の投稿では、ほかの出品物について少しだけ予告いたします。
蒔絵屋 伯兆さん、井村あづみさんとそれぞれコラボした蒔絵作品もあるのでお楽しみに!

個展DMをご希望の方は、 info@watabiki.jp までご住所とお名前をお知らせください。

【2011.10.13 Thursday 17:55】 author : chiewatabiki
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いまさら、屋号「中野下漆器店」のこと。
改めまして、中野下漆器店こと綿引千絵と申します。

よく「中野下漆器店って何?」と聞かれます。
「ちゅうのげ?」とか…。あながち間違ってなかったりして!?

だいぶ前に試しにこの屋号を決めてから、名乗ったり名乗らなかったり、位置づけもはっきりさせないまま今に至ってしまいました。
今となっては、各地でツメあまな設定のゆるキャラが市民権を得ているんだから、私もゆるキャラ路線なんだ、と開き直っております。

たしかに位置づけは曖昧なのですが、名付けについてはそれなりの思いは込めたので、「中野下漆器店って何?」へのお答えとして、少々ご説明申し上げます。



中野下は「なかのした」と読み、とても小さな地域名です。私の生まれ育った町内の名前です。
屋号に誰も知らないような地名を入れたのは、その場所で漆器業をしている、ということを大事にしたかったからです。
漆を生業にしようと思い制作し始めた頃、漠然と頭にあったイメージは、昔のいわゆる“ぬりもの屋”でした。

一村に一軒あったかどうか知りませんが、とにかく漆の職人さんが昔は地域にいて、人々は冠婚葬祭の食器一式をそこで誂えたり、普段使うお椀(それも白木に1,2度塗っただけの簡単な椀かもしれない)を直してもらったり、何か相談があったらとにかくそこへ持ち込んで、何とかしてもらう、そういうのがぬりもの屋の姿だったと想像しています。
もちろん、時代や地方によって、塗師屋(ぬしや、=ぬりもの屋)の性格はまったく異なっただろうけれど、漆器の注文を受け、漆の仕事を担う存在は各地域にいたはずです。

私も、自分が住み仕事しているこの町で、誰にも気軽に尋ねてもらいたいし、何か要る時には私のぬりものを使ってほしい。
土地と関係ない都心のギャラリーばかりで販売するのでなく、まず普段近所を行き交う人達に漆を紹介したい、漆のいっさいがっさいの窓口でありたい、という願いが強くありました。
そして、その姿勢を何年経っても持ち続けて、いつか活動が広がっても根っこは“まちの漆器屋”として存在しよう。そんなふうに考え、超ローカルですが、あえてこのネーミングにしました。


次に後半の「漆器店」のこと。
これも思えばヘンですよね。「お店はどこですか?」と尋ねられることもあり、ややこしくて申し訳ないです。
名前は漆器店ですが、実は店舗はありません。よそのぬりものを仕入れて販売することもありません。
私個人の活動名・屋号として自分を「漆器店」と名乗ってみたいと思ったのです。

漆塗りする者の肩書としては、「漆職人」「塗師」「漆作家」「漆芸家」などがあります。
さて自分は何かな?と思ったとき、まず「漆芸家」は候補外でした。私は日常の生活道具、つまり“商品”を作る作り手なので、美術品は作らない。
作った物の中に美があるようにと心掛けることはしますが、美術が目的で物を作る芸術家ではありません。

それから、「漆職人」は目指すところだけれど、本当の職人の厳しさ、すごさを知っているから、私は職人と名乗る資格はないと思っています。

デザインから売り方まで自分の構想で漆器を生み出すという意味では、たしかに「漆作家」ではあります。
ただ、“作家”という言葉にはいろんなイメージがくっついていると思うのです。
職人仕事との比較で「しょせん作家」みたいな言い方も聞くし、逆に高名な作家さんを「作家先生」と呼び、その人の作というだけで有難がったり…。
「作家物の器」というと、高そうだったり、ファンが収集してそうだったり、いくら普段づかいといっても、特別なこだわりのある人だけが近付けるもののような印象を抱く人も多いでしょう。
私のことをまさか作家先生と呼ぶ人なんていないけれど、でもなんか“作家”の語感は違うかなーと感じています。

それで最近は、シンプルに「漆を塗る者」と受け取ってもらえそうな「漆工」と自己紹介することが多いです。
この漆工という肩書を屋号で言えば、「漆器店」になるのだと思います。
工人、士農工商の工もそうですが、「工」は物を作る職業を指しますよね。
職業として、なりわいとして、漆をやる。そして人々の生活に役立つ“商品”を作る、そして売る。売ったお金で食う。私はそんな人間になりたい!
その決意を「漆器店」という屋号で高らかに(?)宣言(?)したのです。


結果として伝わりづらく、面倒臭いから自分もあまり使わない名になってしまいました。
でも、自分ではこの名前、嫌いじゃないなと思っています。職種としては一人の作家だろうけれど、「漆器店」。
だから、みなさまにメールや初対面でご挨拶することがあったら、「中野下漆器店の綿引千絵です」ではなく、「中野下漆器店こと綿引千絵です」と言うと思います。

わたくし中野下漆器店を今後ともどうぞよろしくお願いいたします(そろそろ馴染めそうな気がします…)。



【2011.09.18 Sunday 11:18】 author : chiewatabiki
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’11−’12秋冬!漆の展覧会!
去年はお休みしてしまいましたが、数年間アップしていた漆の催し一覧(首都圏中心、一部関西)を、今年は復活しようと思います。
漆の催しはなんといっても秋冬が多いので、いま現在、掲載できる分は少ないのですが、今後、続々追加します。
暑さがおさまってきた頃、是非またこのページを思い出してチェックなさってください。
漆のいろやかたちや手ざわりが、みなさまをいい気分にしてくれるように願いつつ…。

私も、秋から冬に計3つの出展があります。いずれかで私のぬりものがみなさまとの出会いを果たせますように。
                    綿引千絵

※店舗情報はギャラリー名をクリックして、各サイトでご確認ください。
※サイトへのリンクのない店舗については、こちらの記事からご覧いただけます。


9月8日(木)〜13日(火) 浦和 楽風(らふ)HPなし。048-825-3910
酒井邦芳 木と漆の器展
自ら漆を掻き、精製し、木を挽き、塗る、まさに「匠」の仕事。木目の美しさを堪能できます。酒井さんについて私が書いた文章はこちら


9月10日(土)〜17日(土) 赤坂游ギャラリー
小椋範彦 漆芸展
芸大の先生。蒔絵にあまり興味のない私でも見とれてしまうのは、ギラギラな感じがなく、図案と素材(貝・金銀粉・色漆)がお互いを活かし合っている、その絶妙感のせいかな、と思います。


9月11日(日)〜17日(土) 板橋 瑞玉
山本進也 漆展
静物画のような食材の蒔絵が印象的。命を食すことへのまなざしを作品から感じられそう。


9月15日(木)〜20日(火) 駒形 カワウソ(HPなし。駒形2‐1‐8‐201)
奇抜な形ではないのに、置いてあるうつわが生き物のように、どこか表情を感じます。これを所有したら愛着がわくだろう、と思います。


9月20日(火)〜 27日(火) 銀座 ギャラリー田中
柏原由貴子 漆芸展
輪島時代から(私にとっては研修所の先輩)平文(ひょうもん)作品を作り続けていらっしゃいます。黒地に銀板のシックな輝きがかっこいいです。正倉院の御物がモダンに変身して眠りから覚めた感じ。


9月21日(水)〜26日(月) 銀座 おかりや
木の家具 角井正夫・漆の器 角井圭子展
恒例のご夫妻展。お二人の個性と調和を拝見したいと毎年願いつつ、まだ叶っていません。


9月21日(水)〜27日(火) 日本橋 三越本店 本館6階
蒔絵 室瀬和美展 ―華・響・綾― 
蒔絵の人間国宝。有職文様のような伝統的形式の中に個性やモダンさがさりげなく見えます。突き詰めた形と図案の緊張感があります。三越なので、伝統工芸展に行く方は必見!
※14日 20:30 NHK BSプレミアム「たけしアート☆ビート」に室瀬さんご出演。


9月21日(水)〜10月3(日) 日本橋 三越本店 本館7階
第58回日本伝統工芸展 


9月23日(金)〜27日(火) 西麻布 桃居
新宮州三 木工展
京都で木と向き合う作家さん。輪島→人間国宝・村山明さんに師事→独立。一木を彫って蜜蠟で仕上げる木箱など、静かに在るだけで表情のある作品。


9月23日(金)〜10月2日(日) 京都 おわんや巧
桐本泰一 いつものうるし展
言わずと知れた?「輪島キリモト」の展示会。お椀とスプーンでカレーを食べるイベントがあるんですって。関西の方どうぞ!


9月23日(土)〜 10月1日(土) 茗荷谷 スペースたかもり ※27日・28日休み
福田敏雄の100椀展
輪島の塗師さん。見せるためでなく使うための器だと感じられる器です。あたたかくて素朴。


10月5日(水)〜 16日(日)
岡田崇人・蜂谷隆之 陶と漆の二人展
益子に暮らすお二人。蜂谷さんの作品は拝見したことがないのですが、私の知る限り、私以外で“漆皮の日用品”に取り組まれている、数少ない作り手のお一人です。ぜひ拝見したかったのですが…。


10月12日(水)〜 17日(月) 銀座 ギャラリーおかりや
奥井美奈 漆展
私にとっては輪島時代の先輩です。人間国宝 室瀬和美先生に師事されています。今回のDM写真は愛らしい形の組み皿。シンプルに無地の塗りで見せるの乾漆作品を追求されています。


10月14日(金)〜 30日(日) 銀座 矢橋工房
矢橋工房展―茶道具特集―
岐阜の会社の東京ショールーム。根来のような風合いや、昔の漆器に型を取った面白い形のぬりものがあります。器から家具までなんでも。


10月20日(木)〜 25(火) 富ヶ谷 ギャラリー日日
赤木明登 ぬりものとお茶
個展を多くなさっている赤木さんですが、また違う趣で、総合的な世界観で、新しい器が見られそうです。毎日午後、ご本人が盆点前でお茶を供されるそうです。


10月30日(日) 目黒 スタジオ目黒ハウス
古民家で、多ジャンルの手仕事の数々。大人の女子の文化祭といった雰囲気。
わたくし綿引千絵、初参加します。漆では、ほかに蒔絵の伯兆さんも参加。また、伯兆×綿引コラボのリング・バレッタも新作・復刻作品ともに出品です!


11月17日(木)〜22(火) 埼玉・志木 ギャラリーSpace M
はじめて漆器を使うなら 綿引千絵展
「漆工たるもの、まずもって“まちの漆器屋”でありたい」との思いで、続けている地元での展示です。
今回はスプーン各種を充実させたいと思っています。使い心地をぜひ知ってほしくて、会期中、私の椀と匙で食す「白玉ぜんざい」がカフェメニューに加わります!
詳細ご確認ください。→こちら



11月19日(土)〜24(木) 千駄ヶ谷 SHIZEN
若林幸恵展
女性らしい絵の付いた椀や、面白い形の手彫り蓋物など、目に楽しい作品が多い印象です。


11月30日(水)〜12月5日(月) 南青山 うつわ楓
小林慎二展
輪島で制作され、赤木明登さんのもとで修業された方。’09年の同店個展ではお椀など出品数が多くてすごいと思いました。


12月3日(土)〜18日(日) 茅ヶ崎 クラフトショップ俊
滝村弘美展
あくまで生活道具に徹していながら美しい!本当の「用の美」だなと思うぬりものです。飛騨で活動。今の職人さんをおいてはもう作れないという、貴重な「曲げ輪」による重箱も、欲しくなる逸品です。


2012年1月10日〜29日 品川駅
「品川てづくり市」による恒例のクラフトフェアです。毎年100人以上の作り手が出店し、綿引千絵も初参加します。
「てづくり市」は震災以来、開催中止を余儀なくされていますので、ぜひこの期間に、私達の手仕事に会いに来てください。会場が駅構内の「エキュート」ですので、どうぞお気軽に!
わたくし綿引の出店に関してはこちらでご確認ください。
【2011.08.24 Wednesday 14:41】 author : chiewatabiki
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国難の時代に、漆器。
震災の後、皆そうだったみたいだけれど、私も「こんなふうに椀塗ってていいのか?」と思った。被災地を思うと、自然とそんな感情は湧くものですね。
でも実は、次に私が思ったのはもっと利己的な気持ちで、「これから大変な時代が来る。漆やってて生きていけるのか?」ということだった

どう考えてもこれから復興にたくさんのお金がかかる中、一般市民の生活は厳しい時代が続くんだろう。そんな“国難” の時代に、漆器を使い、楽しむ人がどれ程いてくれるだろうか。もう今となっては、漆は求められていないんじゃないか。
地震当日から1週間くらいはそんなふうに思って、仕事が手に付かないくらい呆然と過ごした。
やはりその時は、漆器より、金より、歌より、一個のおにぎりが大切な状況を毎日目の当たりにしてたんだもの。そりゃ、「自分、何やってんだ」と思ってしまうのも仕方ないかな。

脱力してしまった私の意識を変えてくれたのは、ほかならぬ被災者のお客様だった。

その方は茨城で被災され、ご自宅には津波が来なかったものの、ライフラインを断ち切られた。とくに、水道はその後数週間復旧せず、毎日水道車の行列に並び、川から水を汲み、汚物を庭に埋める生活を余儀なくされたそうだ。
心配になって連絡を取ったとき、「綿引さん、この生活では、たっぷり椀にお汁をたっぷり入れて飲めることって、本当に幸せなことなんだよ」と言ってくださった。

たっぷり椀 毎朝汁椀として使っているマイ椀 

もちろん、お客様は液体を存分に飲めることがいかに貴重か、その状況を話してくださったんだとは思う。
でも、なんだか私には、過酷な状況下では漆椀の形や色や手触りがなぐさめになったよ、という意味にも聞こえてしまった。


その後、展示会でこういうこともあった。
「震災に遭って、つまらないものは持たないようにしようと思ってたくさん捨てたんです。その代わり、本当に良いと思うものを使っていこうって。」掌に私の飯椀を包みながら、そうおっしゃるお客様。
物なんて一瞬で無くなってしまうのだから、形あるうちは本当に好きなものを楽しんで使うのだと、飯椀を持ち帰ってくださった。

 飯椀 (小)


このお二人は、ご自身にとっての「豊かさ」を漆に感じておられる。そうか、漆は豊かなものなんだ(←今更ながら!)。私の漆器も、豊かさを差し出せる可能性があるんだ。

国難の時代だからこそ、一昔前のような、外での派手な“娯楽”や使い捨てる消費物を、いつも誰でも享受できる訳じゃない。そんな“豊かさ”を望まない人も多くなっている。
だったら、いつもの生活の中で感じられる豊かさが、きっとこれから、更に更に大事になるんだろうな。

二つのお言葉のおかげで「私も漆続けてていいんだ」と思え、無事元気回復となった。
残りの人生、漆で生きていけるのかは私次第なんだけれど!

【2011.07.29 Friday 13:32】 author : chiewatabiki
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